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2023年 米国家計の経済的幸福度

horiki

FRBが5/21に、米国の成人とその家族の経済状況を調査した、「2023年の米国家計の経済的幸福報告書」を公開しましたので、簡単に中身を見てみます。

なお、報告書の内容とほりきの考察を分けるため、ほりきの考察は黄色塗りとしております。

どんな調査?

2023年10月に実施された、FRBの第11回家計経済と意思決定に関する年次調査(SHED)に基づいています。この報告書は、経済的幸福、所得、雇用、支出、住宅、高等教育などの幅広く分析しております。

調査結果

全体的な経済的幸福

  • 経済的に問題なく生活している人の割合は、72%であり、2022年の73%と同水準でした。直近の最高値は、2021年の78%でした。
  • 18歳未満の子供と同居している親の場合、経済的に問題ない人の割合は 2022年から5%減少(69 → 64%)しました(下図)。
  • インフレ率が前年より低下したにもかかわらず、インフレは依然として最大の懸念事項であったようです。
The Fed – Report on the Economic Well-Being of U.S. Households in 2023 – May 2024 (federalreserve.gov)より抜粋

所得

  • 2022年に比べて、34%の人が世帯月収が増加したと回答しました。逆に、38%の人が世帯支出が減少したと回答しました。
  • 貯蓄をした人の割合は、2022年と同程度でしたが、2020~2021年に比べると減少しており、パンデミック前の水準を下回りました。

支出

  • サラリーマンの昇給額は、2022年と同程度でした。例えば、昇給を受けた人の割合(33%)と昇給を求めた人の割合(13%)は、変化しておりせんでした。一方、新規の就職率と昇給率は引き続き2021年の水準を上回わりました(これは労働市場の強さが反映されておりますね)
  • 13歳未満の子供を持つ人の約10人に4人が有料保育を利用しております。
  • 有料保育を利用している人が支払った保育料の中央値は800ドル/月でした、、。(高いですね)

経費

  • 63%の人が、民間救急機関の利用費用400ドルを現金または同等品だけでまかなえると回答しました。これは、2022年と同水準ですが、2021年の68%から減少しました。
  • 物価の変動により、財務状況が悪化したと回答した人は全体の19%でした。対照的に、4%の人は2022年から改善したと回答し(一部の経営者や転職成功組ですかね?)、31%の人はほとんど影響がなかったと回答しました。

銀行と信用

  • 94%の人が銀行口座を持っていましたが、収入、年齢、人種、民族、障害の有無によって顕著な差があります(下図は例です)。
  • クレジットを申請した人のうち、拒否された人や申請より少ない額で承認された人の割合は、2022年から2%増加し、2021年から5%増加しました。
  • 直近1年間で14%の人が「今購入して後で支払う(BNPL)」を利用しており、利用者は2022年から増加しました。BNPLを使用する主な理由(上位2位)は、①支払いを分散したい(87%)、②利便性が良い(82%)でした。さらに、BNPLを利用した人の半数以上は、商品を購入できる唯一の方法がBNPLであったと述べていました。
    • これ超危険な人達ですね。欲しいものを今すぐ手に入れるために、来月以降の自分の生活の質を犠牲にする、、。それに見合うだけの価値があれば良いと思いますが(例えば、既にお客さんから動画編集を頼まれた状態で、動画編集用の高額PCを急ぎ買う場合など)。まぁ、大抵はガラクタ(車や時計、高級スーツ)でしょうね。
The Fed – Report on the Economic Well-Being of U.S. Households in 2023 – May 2024 (federalreserve.gov)より抜粋
The Fed – Report on the Economic Well-Being of U.S. Households in 2023 – May 2024 (federalreserve.gov)より抜粋

住宅

  • 2023年に家賃の支払いが困難になった人の割合が増加しました。2023 年の1ヵ月あたりの家賃の中央値は1,100ドルで、2022年から10%増加しました。さらに、19%の人が過去1年間に家賃を滞納したことがあると報告しました。

高等教育

  • 多くの人から、教育はより大きな経済的幸福への道と見なされていました。実際、学士以上の学位を取得した人のほとんどは、その費用に見合う価値があると述べました。
  • 2023年秋に連邦学生ローンの支払いが再開された後、支払いが必要な学生ローンの借り手の割合は、パンデミック前のレベルに戻りました。

退職と投資

  • (定年?)退職後の貯蓄は若干改善しているようです。現役労働者の34%が、退職後の貯蓄計画が軌道に乗っていると考えており、2022年の31%から増加しました、なお、2021年は40%でした。
  • 退職者の80%が、経済的には問題ないと答えました。
  • 45%の人は、投資の成績が良いと回答しました。
    • これは、直近(2023年10月)の株高の影響でしょうな。

まとめ

  • 2023年米国家計の経済的幸福度に関する調査(SHED)の結果は、前年より同等かやや下回っていることを示していた。
  • 家計の幸福度は、2021年に最高値を記録した。インフレのペースは緩やかだが、多くの人は物価上昇が家計管理の課題であると指摘している。
  • 18歳未満の子どもを持つ人と、それ以外の人との間の経済的幸福度の格差は拡大し、子を持つ親たちは2023年も幸福度が継続的に低下している。
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ほりき
ほりき
サラリーマン株式投資家
愛媛でサラリーマンをしている個人投資家です。
自分の人生を有益なものにするためにブログを始めました。
米国株式を中心に情報発信をしています。その他、個人的に「残しておきたい」と思う情報や思い出もアップしていきます。
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