投資に必要な知識

原油価格と石油関連銘柄の株価の相関関係について(簡易調査)

horiki
  • 石油は世界経済にとって重要視されている資源であり、その価格動向は幅広い産業に影響を及ぼします。
  • 今回は、石油価格が石油関連企業の株価にどう影響するのか簡単に考えてみたいと思います。

1.原油価格と石油関連銘柄の株価の相関関係

  • 石油関連企業は、製品(石油)を市場価格で販売します。つまり、原油価格が上昇すれば、これらの企業の売上高(そして潜在的には利益)も増加する可能性があります。
  • 原油価格の上昇は、投資家が石油関連企業の将来の利益見通しを上方修正する可能性があり、これが株価に反映される場合があります。
  • 逆に、原油価格が下落すれば、これらの企業の利益は減少し、株価も下落する可能性があります。

2.複雑な要素:相関関係は必ずしも一直線ではない

  • しかしながら、この石油価格と石油銘柄の株価の相関関係は必ずしも直線的なものではありません。
  • 原油価格の変動は石油関連企業だけでなく、石油を原料として使用する企業にも影響を及ぼします。さらに、政治的な要素や世界的な経済状況、個別企業に関連するニュースなど、多くの要因が株価に影響を与えることがあります。
    • 例えば、政策変更や地政学的なリスク(各国間の不仲による供給網の大幅見直しや石油プラントを狙ったテロによる生産量削減など)が原油価格と石油株価の関係に影響を及ぼすことがあります。
  • ここで実際に、WTI原油価格と以下の3銘柄の株価との散布図を書いて相関関係を確認してみました。
    • 調査期間は過去2年間としました。
    • なお、調査期間を広げたり、「石油」に特化した銘柄に絞り込んだりすれば、今回とは異なる結果が得られるかもしれませんので、参考程度としてください。

(1)エクソンモービル(ティッカーシンボル;XOM)

  • 下図の通り、原油価格と株価に有意な相関は見られませんでした。
  • エクソンモービルは、石油、天然ガス、石油製品の探査、生産、精製、配送、販売など幅広く展開していることから、原油価格以外にも株価が影響を受ける要素が多く存在するため、有意な相関が見られなかったと考えます。

(2)シェブロン(ティッカーシンボル;CVX)

  • エクソンモービルとは異なり、緩やかな相関がみられます。 
  • エクソンモービルに次ぐアメリカの大手石油会社で、世界各地で事業を展開しています。

(3)ENEOSホールディングス(ティッカーシンボル;5020)

  • こちらは有意な相関がみられる結果となりました。
  • ENEOSホールディングス日本の大手エネルギー会社で、主に石油精製、ガス、金属、電力などの分野で事業を展開しています。
  • 同社の主力事業は、石油精製と販売であり、ENEOSブランドのガソリンスタンドは日本全国に広く展開されています。
  • 原油探査と開発も行っており、さらには液化天然ガス(LNG)、石炭、電力供給などのエネルギー事業にも手を広げています。

3.結論

  • 原油価格と石油関連企業の株価は相互に関連していますが、その相関関係は『一部の要素を示すものであり、全体像を必ずしも反映していない』ことを理解することが重要です。
  • この相関関係を理解することは投資判断において重要であり、さらにそれが市場全体や他の要因とどのように相互作用するかを調べることが必要となります。

4.その他

  • 原油価格が下がった場合、石油探査や生産に関与する企業は利益が減少⇒株価下落になる可能性があります。
  • 一方、石油を原料とする企業(例えば航空会社や製造業)はコストが下がるため、利益が増え、株価が上昇する可能性があります。
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ほりき
ほりき
サラリーマン株式投資家
愛媛でサラリーマンをしている個人投資家です。
自分の人生を有益なものにするためにブログを始めました。
米国株式を中心に情報発信をしています。その他、個人的に「残しておきたい」と思う情報や思い出もアップしていきます。
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