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日本の1990年代初頭のバブル経済について

horiki

2024年2月9日に経平均株価が34年ぶりに3万7000円を超えました。これはバブルが崩壊してから最高値になります。つまり、チャート上では右上の最上位に位置しているということになります(下図をご参照ください)。

そこで、今回は過去のバブル経済について調べてみたく、①日本のバブル経済と②バブルが崩壊したときの特徴を調べてみました。

1.日本のバブル経済ってなに?

  • 1980年代後半から1990年初頭にかけて、日本では経済が急速に成長し、株価と土地価格が急騰する現象が起こりました。この現象を「バブル経済」と呼びます。
  • しかし、この急激な経済成長は一時的なもので、バブルが崩壊した後には深刻な経済危機が訪れました。これは「失われた20年」または「失われた30年」などと呼ばれています。

2.バブル経済の興隆

  • 1980年代、日本は高度経済成長を経て世界第二位の経済大国に上り詰めました。この成長を支えていたのは、堅実な貯蓄と労働力、そして製造業の成長です。
  • しかし、1985年にプラザ合意が成立し、円高が進行すると、日本政府は経済のバランスを取るために金利を引き下げました。これにより、日本国内に大量の資金が供給され、企業や個人が容易にお金を借り入れできるようになりました。
  • その結果、土地や株への投資が増大し、価格が急騰。バブル経済が形成されました。この時代、土地価格は空前の高騰を見せ、東京の一部の土地価格は全米の土地価格を上回るとまで言われました。

3.バブル崩壊とその影響

  • しかし、バブルは永遠に持続するものではありません。1991年、日本の中央銀行である日本銀行(日銀)がインフレ抑制を図るために金利を引き上げたことで、バブルが崩壊しました。株価と土地価格は急落し、多くの企業と個人は借金返済に苦しむことになりました。これがバブル崩壊の始まりです。
  • その後の日本経済は長期間にわたって停滞し、「失われた20年」「失われた30年」と称されました。低成長、低利子、デフレという状況が続き、若者の雇用問題や地方の衰退といった課題が浮き彫りになりました。
  • バブル経済の教訓は、不安定な資産への過度な投資が短期的な経済成長をもたらすかもしれないが、長期的な視野で見ると経済全体に大きなダメージをもたらす可能性があるということです。
  • 安定した成長と持続可能な経済発展のためには、堅実な経済政策とバランスの取れた投資が必要とされます。

4.バブルピーク時の株価とバブル崩壊後の株価

  • バブル経済がピークに達したのは1989年の年末で、東京証券取引所の日経平均株価は史上最高の38,957.44円を記録しました。しかし、この株価の高騰もバブルの一部であり、本質的な経済活動や企業の利益ではなく、投機的な資金流入によって引き起こされていました。
  • バブルが崩壊すると、株価は急落しました。1992年末には日経平均株価は約14,309.41円と、ピーク時の約3分の1にまで落ち込みました。そして、この下落トレンドは長く続き、2003年には一時、約7600円まで下落したこともありました。

5.バブル崩壊前の兆候

バブル崩壊前の兆候については、ほりきが調べた限りだと以下3点挙げられます。

  • ①不動産価格の急騰
    • 土地価格が急激に上昇し、特に都市部では空前の価格高騰が見られました。しかし、この価格上昇は実体経済とは乖離したものであり、経済の過熱を示す兆候でした。
  • ②企業の過度な借入
    • 低金利政策により、企業は安易に融資を受け、過度な設備投資や不動産投資を行っていました。しかし、これらの投資はしばしば収益性に乏しく、企業の財務状況を悪化させる一因となりました。
  • ③株価の過度な上昇
    • バブル経済の最中、株価は急激に上昇しました。しかし、この株価上昇もまた実体経済の活動から乖離しており、投機的な取引が株価を押し上げる一因となりました。

6.株高に浮かれないこと

  • 後から振り返ると、これらの兆候がバブル崩壊のサインであったように思えます。
  • しかし、当時多くの人は、バブルが崩壊する懸念を抱くことがありませんでした(父に当時の話を聞きました)。

7.まとめ

  • 現在、日経平均株価はバブル崩壊以降、最高値となった。
  • バブル経済とは、1980年代後半から1990年初頭にかけて、経済が急速に成長し、株価と土地価格が急騰した現象のこと。
  • 1985年にプラザ合意の成立による円高の進行に伴い、経済のバランスを取るべくに金利を引き下げた。そのため、日本国内に大量の資金が供給され、土地や株への投資が増大し、価格が急騰した(日経平均株価は史上最高の38,957.44円を記録)。
  • 1991年、日本銀行がインフレ抑制を図るために金利を引き上げたことでバブルが崩壊し、株価と土地価格は急落した(約1年で約14,309.41円まで下落)。
  • バブル崩壊前には、実態にそぐわない投資(株式投資、機械・設備投資、不動産投資)が横行する。
  • 多くの人は、バブルが崩壊する懸念を抱くことがなかった。
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ほりき
ほりき
サラリーマン株式投資家
愛媛でサラリーマンをしている個人投資家です。
自分の人生を有益なものにするためにブログを始めました。
米国株式を中心に情報発信をしています。その他、個人的に「残しておきたい」と思う情報や思い出もアップしていきます。
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